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「咲ー!幸の家にいくなら僕も誘ってよー!」
「うん、今度は一緒に行こう。それより、部活どうだった?」
「とっても楽しかったよ!僕ジュウドウっていうの初めてみたけど、とってもクールだね!」
そのあとたけると一緒に降りて来た咲を見つけて、ジャンは俺から離れすぐ咲に話しかけにいった。
俺はそんな二人を見ながら、穏やかな気分でいた。
ジャンと咲が咲の家へ帰るのをみおくっていると、横から視線を感じた。
そこにいたのは、咲の最強のナイトであるたけるだった。
たけるは犯人を見るような目で俺をみている。
「いやほんと。今日は何もしてないです」
「なんも?」
「いや、まあ…。でもほんと、お前らが来てくれてマジ助かった」
「幸兄、高校生にもなって、自分の部屋で好きなやつと二人きりになって何もしない拷問に耐える恐ろしさ、わかってないの?」
「いや、今日ので本当に実感した」
いや、けど今日は咲があんな可愛いことをして来たのが悪いんであって、それがなければ俺だって別に...。とか思っていると、たけるがすごい顔で「ねーちゃんに次から幸兄の部屋に行くときはおれに連絡するよういっとくから」と、ナイト様の役目を果たす素晴らしい言葉を残し家へ帰っていった。
おれはまだふわふわした気持ちで自分の部屋に戻ると、先ほど咲と俺がいた位置のベッドのシーツが乱れているのが目に入り、先ほどの俺の浅はかな考えを改めた。
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