Act 1-1:異世界の少女たち

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 剣と魔法が跋扈し、街の門を出ればモンスターが徘徊する。  訪問して、たった数時間で、異世界オンパレードだ。 「くっそ、あのエロおやじ。何度思い出しても、ムカムカする」  ブツブツと怨念を漏らしながら首の骨を鳴らすQの赤毛の髪が、外から差しこむ太陽光を受け、燃えているように見える。  ちなみに、あのオヤジとは、あろうことか、国王のことだ。  Qは、詳細は伏せるが、国王のセクハラまがいの発言を受け、ブチギレ寸前だった。  相手を選ばないその態度は、ある意味、すがすがしい。  これは、そうとう怒ってるな……。  声がおそろしく低い。  顔がわずかに笑っているのが、よけいに怖い。  Qは美人だが、こういうとき浮かべる表情は、男性さえもおそれさせる。  それは、日本国内だろうが海外だろうが、地球外だろうが異世界だろうが、おなじことだった。 「Q……そろそろ機嫌なおしてくださいよ」 「これがニコニコしていられるか。あんなブタみたいな顔しやがって、よくも」 「言葉に気をつけてくださいって……相手は国王ですよ」 「それがなんだ、あんなヤツが一国の帝王だってなら、私は一夜の嬢王だ」 「ちょっと意味がわからないです」 「ああああ、怒りがおさまらん。おい、一発なぐらせろ」     
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