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「えーと……」
ぼくは、咳ばらいをした。
職業柄、人見知りをするほうではないが、相手は、異世界の少女たちだ。
えび茶色の壁に囲まれた空間には、大きな丸テーブルと、高い背もたれのついたイスが置かれている。
壁ぎわには簡素なソファや、脚つきのコルクボードもある。
ここは、森のなかに設営された、〈捜査騎士団〉の本部だ。
メンバーの居住空間も兼ねた施設で、そのなかのミーティングルームにて、ぼくとQ、そして三人の少女たちは、たがいに打ち解けないまま、とりあえず共通の話題となりうる事件の話に入ろうと、準備を始めていた。
ぼくは、あらためて、出逢ったばかりの三人の少女に目を向けた。
「もきゅう~」
床であぐらをかいている、獣耳や尻尾が生えた、背の高い少女。
獣人族のモクは、弓術・体術や自然学を得意とする。
動物の言葉を理解し、わずかな土から地域を特定するといった技能もあるらしい。
彼女は言葉を発さず、基本的にボディランゲージで意思疎通をおこなう。
弓と矢筒を背負い、動物の皮でできたムダに露出の多い服を着ている。
とくに胸部は、そのサイズもあって、やけに強調されている。
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