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異世界ソフィアと極秘裏に接触し、技術などを交換し、親交を深めている最中であるという日本政府の任命を受け、ぼくは相棒であり護衛であり保護者でもあるQとともに、半信半疑のまま、異世界へと召喚されてきた。
ソフィアが真っ先にもとめてきた技術というのが、意外なことに、犯罪捜査であった。
対魔獣に焦点をしぼってきたというかの地では、衛兵のほかには、警察機関という概念すら存在しなかった。
このたび、犯罪に対処する専門チーム〈捜査騎士団〉を新設するにあたって、ぼくが〈導き手〉に任命されたというわけだ。
ぼくに白羽の矢が立ったのには、当然、理由がある。
異世界には〈魔術〉という技術が存在し、科学捜査が意味をなさない事件も起きうる。
そこで、心理学や行動学から犯人を追うことのできる技術──プロファイリングに、目をつけた。
いまだ日本ではあまり浸透していない技術であり、候補者は少なく、結果、ぼくが選ばれた。
そういうことだ。
ぼくは、慣れ親しんだ世界、日本という国の自分の部屋に残してきた、マホガニー製のデスクや書棚、ベネチアン・ブラインド、巨大なホワイトボード、額入りの学位記や表彰状を、現実的日常の表象として思いかえした。
人生はおどろきに満ちている。
森を抜けた丘の上から、見知らぬ世界を見渡したときの感動を思い出す。
風景が多彩で変化に富んでいた。
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