【二日目】

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「はい、出来上がり」 「凄いな」 シルヴァンは心から感心しているようだった。 「一枚の布から、こんな立体になるとは。芸術の域だ」 褒められて、日本が褒められたような気がして少し誇らしかった。母が「とにかく覚えろ」と言ったのがなんとなく理解できる。 「あの、どうして窓から……」 私が聞くと、彼は溜息を吐いた。 「俺は部屋から自由に出る事を禁止されている。いや、表立っては禁止はされていないが、一歩出れば、警護と言う名の監視がつく。それでこの部屋に来る訳にはいかないから」 さっきの……広間で少し離れたところにいた金髪の男の姿を思い出した。 「部屋はカルロが調べてくれた」 「カルロ?」 「昨夜もいた、背の高い男だ。今は俺の身代わりで部屋にこもっている」 ああ、浅黒い肌の? 「昨夜の事を、謝らなくてはと思って」 「私も気にしてたの。みんな無事に逃げられた?」 聞くと彼は優しい笑みで微笑んだ。 「お陰様で、みな無事だ」 「よかった」 「お前こそ、何か咎はなかったか?」 「そりゃあもう、マルグテ夫人の雷が」 言うと彼はおかしそうに笑った。 「そりゃ怖そうだ」 「でしょ?」     
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