【三日目】

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「でも。婚儀が終わってしまったら、そうそう自由に外を歩き回るなんてできませんし。特に渚沙となんて」 マルグテ夫人は探るように見ていたけれど、納得してくれたようだ。 「良いでしょう、エレメイを護衛につけます」 「ありがとうございます」 恵里佳は100満点の笑顔で答えた。 *** 護衛と言ってついて来た男は、舞踏会の時、シルヴァンと付かず離れずに立っていた金髪の男だった、シルヴァンが出て行くと何食わぬ顔して出て行った……シルヴァンが警護と言う名の監視だと言っていた人だろう。 エレメイは助手席に、運転は運転手に任せて、私達は後部座席で女子トークに花を咲かせていた。 「あーこうして気軽に出られるのも、あとわずかかあ」 恵里佳は言いながら、私の太腿に指で文字を書く。 ≪よりによって、エレメイがきちゃった。くわしい話は夜ね≫ そっか、なんか話がしたくて外に出たいなんて? 「頑張ってね、王妃様業!」 私も口では軽口を聞きながら、恵里佳の手を取って書く。 ≪エレメイは日本ゴわかるの?≫ 私達は今は日本語で会話しているけど、横顔を盗み見ても、理解してるかどうかははっきりしない。 「マリッジブルーかしら、ちょっと嫌になってきたわ!」 ≪わからない≫ 「えー、ここまで来て、やめたいは駄目だよお!」 ≪おっけー≫ 「判ってるけどお」     
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