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私達はそっと手を解いて、女子トークを続けた。
街まで下りて、私達はショッピングモールでウィンドショッピングを楽しんだ。
って言うか、恵里佳、全然普通に店に出入りしてるけど、いいのかな? 店員さんも観光客みたいに接してる、王妃だと気付いていないみたい。
眼光鋭いエレメイがずっと付かず離れずの場所に居るのも違和感はないらしい。
近くのイタリアンレストランでピザとパスタでランチにした。
店内はそれなりに混んでいた。それでも四人席に案内されて、私と恵里佳は隣同士、向かいにエレメイと運転手が座る。
「トイレ行ってくる」
食事が一通り済んだ頃、私は立ち上がった。
トイレにはさすがにエレメイはついて来ない。それ以外の別行動は、必ずついてくるけど。
トイレは角を曲がった先だった。壁伝いに曲がって二歩進んだ時、腕を掴まれ引き込まれた。
やばい!
海外の危険あるあるか!?
大きな声を出さなくては……そう思って深呼吸をした時、耳元で囁かれた。
「しっ! やっと声が掛けられた」
「やっと……って!」
私は振り返って、長身の男を確認した。
細面の少しヤンチャな印象の男性は、ニヤリと笑う。
そのまま空いてるテーブルに押し込まれた。
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