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ヘフゲンはマルグテ夫人のラストネームだ、シルヴァンが言ってた、マルグテ夫人が関わってるかもしれないって……!
ティモシーはメッセンジャーバックからファイルを取り出して、そこ挟んでいた写真を見せてくれた。
三人の男が写っていた。いかにも危険な香りのする雰囲気のごつい二人の男が、大きな箱を乗せた台車を押していた、その後ろにいるのが……。
「……エレメイ……!」
ティモシーは頷く。
「この箱の中身、気になるだろ?」
その言葉に、私の背筋に冷たい物が落ちた。
「ゴシップ紙じゃなくたって食いつくネタだよな。王様が亡くなったと思しき場所の関係者が王様になるんだぜ?」
やっぱりそうなの……こんな段ボールに、ユルリッシュ殿下が……!?
「……ねえ、あなた、現在のエタン殿下の事は知ってる?」
「病気で床に臥せっていると」
私は首が取れそうなほど、左右に振った。
「ユルリッシュ皇太子を殺した罪で、牢屋に閉じ込められてるって」
「……なんだって?」
「本当なの、私、エタン殿下を助けたいの!」
言いながら、何故か「違う」と思った。私はエタン殿下の為にやってるの?
「この写真、エタン殿下が犯人じゃないって言う、十分な証拠にならないの? これを公にしてくれない!?」
「既に規制がかかってる、なのにこれを流せば社も人も潰される可能性がある。箱の中身も判らないのに、不確かな情報は出せない。元ネタの防犯カメラの画像は消されてた」
「でも、怪しいじゃない!エレメイに箱の中身は聞いたの?」
「そもそも接触できないからな」
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