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「仕方ありませんね、レディーを置いていくのは気が引けますが、泳げないと青ざめている人を置いて行く事はできません」
「私は大丈夫だけど、渚沙は?」
恵里佳は区の代表に選ばれたこともあるくらいだ、あーなんで恵里佳はパーフェクトウーマンかなー。
私は……、
「ないけど、なんとか頑張るよ……」
25メートルなら泳いだ事あるけど、それ以上は未知数。そして断崖絶壁の麓にある小さな岸までは60メートルはありそう……!
「お二方は車から出てからお待ち下さい。車が沈むまでは掴まっていた方がいいでしょう。ただ沈むとそれに巻き込まれる可能性があります、沈み切る前には十分離れて」
ガブリエルを引きずり出しながらカルロは言う。
そしてカルロが離れると、恵里佳はウールのワンピースを脱ぎ始めた。
「え、恵里佳!?」
「こんなの着てたら泳げないじゃない」
だからって、王妃様が下着を露わにしていいものだろうか……まあ確かにウールのワンピースなんぞ、水吸ったらすごい事になるだろうけど。
キャミソールの下着姿になった恵里佳は、助手席へ移動を始める。
わ、私はジーンズだから、このままでいいかなー……靴は脱いで行こう。
二人並んで車の屋根に掴まった。私達の体重の分が減ったからか、沈み方が一瞬緩くなる。
「渚沙、頑張るわよ」
「うん!」
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