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昨日は外出に付き添ったエレメイが付いて行かなかった事、そのくせシルヴァンの警護と言う名の監視にもいない事を不審に思ったカルロが、仲間にエレメイの監視を頼み、自身は私達の後をつけたのだそうだ。
そしてあの事故。
クルマはすぐに引き上げられ、調べられた。
ブレーキオイルに大量の水が入っていたそうだ。海水ではない、真水の混入は誰かが意図的にやらなくてはありえないとの事。
シルヴァンとカルロから、エレメイに事情を聞いてほしいと頼んだが、既にエレメイはフランスに出国、更にアメリカ行きの便に乗りいなくなっていた。
主従関係にあるマルグテ夫人の責任が追及された。
「エレメイが何をしたかなど、私は関知致しません」
マルグテ夫人は知らぬ存ぜぬを貫く。
「叔母上、言い逃れはできませんよ」
シルヴァンが詰め寄る。
「母上、あなたは一体何を……」
ここへ来てハルルートはようやく事態を知る。
恵里佳が説明する、ユルリッシュ殿下の死とハルルートの父であるヘフゲン氏の疑惑を……。
ハルルートは肩を落として、言ったと言う。
「エレメイは10年以上雇われています、父の片腕、懐刀とまで言われた人です。そんな人が勝手に行動するなどないでしょう。しかも恵里佳も殺そうとするなんて……」
ハルルートの告白に、マルグテ夫人も観念したと言う。
「エタン殿下の復権を要求します」
カルロが声高に宣言する。
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