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【親友が王妃様!?】
大学に上がってできた親友、河野恵里佳と卒業旅行に出た。
行き先はイタリア! 食い倒れを楽しみに、二人でワイワイキャーキャー、バカンスを過ごしていた。
それまでも陽気なイタリア人にナンパまがいに声をかけられていたけれど、その日は少し違った。
レストランで食事をしていると、隣のテーブルの男性に声を掛けられた、彼は三人組だった。
「Excuse me……」
「Yes?」
私も喋れるけど、より堪能なのは恵里佳だ。
「そのお皿の料理はなんですか? 美味しそうなんですけど」
思えば、これはきっかけでしかなく。
彼はあからさまに恵里佳を狙っていた、恵里佳が流暢に料理名とどんな料理かを説明すると、彼はテーブルを引っ付けてきた。
「どちらから来たんですか?」
「日本です」
「ああ、日本! ドラ◯もん、好きです」
時折私にも話は振ってくれるけれど、結局は二人の世界。
私と、彼の友人達は頷くだけ、この友人達も『友人』ではなく『SP』とか言う人達である事を知るのは、だいぶ先のことだ。
食事が終わると、その友人の運転する車でホテルまで送ってくれた。
「いつまで滞在ですか?」
「明日の便で帰ります」
「残念です、空港まで見送りに行きます」
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