金のライオン

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「そうだな。あれでは昼食に誘うだけでも骨が折れそうだ……って、違うと言ってるだろう。下心なんかないぞ。ただ友人の一人としてコミュニケーションを図りたいだけだ」 「下心?僕何も言ってませんけど」 「……」 雷太が横目で紅を見ると、紅は口元を手で押さえ視線を明後日方向へ向けている。 笑いを堪えているのが憎たらしい。 こんな性格だから世にある童話の類で狼はいつも狡賢く卑怯な役回りなのだ。 「障害だらけの学園でまるでロミオとジュリエットですね。僕は応援しますよ」 「だから違うと言ってるだろう……」 半ば呆れた口調になってしまったが紅を相手にしていては苛々が募るばかりだと、反論することを早々に諦めた。
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