恋愛初心者

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「さすがに昨日の今日だとまだ考えがまとまらない、かな?」 ここは玲本人に気づいてもらうことが一番だ。 何勘違いしてんだ。 俺にプロポーズされたことで頭がいっぱいになってるのか、と。 それでも彼女は俺の言葉の意味が分からないのか笑みを絶やさずに?を飛ばしている。 昨夜は酔っぱらった井上さんお手製の若葉マークをもらったけど、この様子じゃ結果オーライだ。 嬉しい誤算に俺の口角はクッと上がった。 「弊社(うち)に来てくれる気になったかなって、」 玲の顔色は徐々に赤く染まった。 それがまるで、「勘違いしてました」と言わんばかりの反応で俺の加虐心を煽る。 彼女の表情がコロコロと変わる。それが見ているだけで俺を愉快にさせて。 例え睨まれても全く怖くないその顔に、堪えきれずに思わず吹き出して笑ってしまった。 「ごめん、ごめん。あまりにも衝撃的な顔をしていたから。つい、…」 虐めたくなるんだよ、という言葉を飲み込んで、口元に手を当て顔を背けて笑う。 「もう!からかわないでくださいっ!」 「無理だよね、」 うん、無理無理。 悪いけど無理。 だって 「ははっ、本当、可愛い。」 もうまじで。 なんなの、この生き物 多分、俺、ずっとこの顔見てられる
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