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素直に嬉しかった。
コンサルタントとしては経験値も浅いのに、私を頼ってくれた。
何より《元担当先の担当者》という同じ会社でも無ければ上司でもない関係。
力になりたかった。
期待に応えたかった。
初めはメールやスカイプでのやり取りだけだった。
だけど昨年の秋、山崎さんから提案があった。
『正式にコンサルタントとしてやってみないか?』
その言葉に私は柄にもなく舞い上がった。その反面複雑でもあった。
ロバートにはすぐに言えなかった。
暫く悩んで打ち明けた。
それでもきっと心のどこかで気持ちは既に決まっていたんだと思う。
引き止められる覚悟はあった。もしそうなったらどう答えようとも考えた。
遠距離になったらきっと、別れを切り出されると、その言葉をどう切り返そうかとも考えて彼に報告した。
でも、彼の口から出た言葉は意外なものだった。
『君の家は此処だよ。帰って来ればいい』
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