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「玲、ちゃんと答えろ。」
目の前の綺麗な笑顔は温度がなく
さっきまでの和やかな空気が嘘のようで
ピン、と張り詰めた空間
私は今絶体絶命のピンチ。
「あの日どうして嘘吐いた?」
長い脚を組み直した九条さんは
ソファーの背もたれに肘をつく。
そしてスッと眼を細めて顎をあげた。
「偽証罪って知ってるか?法律により宣誓した証人に虚偽の陳述をした時は3ヶ月以上10年以下の懲役に処されるんだ。」
……ギショーザイ?
「つまり、公的機関、または公的機関に従事するものに虚偽の発言、報告等は処罰の対象。病院で、救急隊員に嘘を吐く事は立派な犯罪だ。」
…処罰の対象?……犯罪?
「もし、俺になんらかの事件性があってその電話番号が偽りのモノだとわかった時点で容疑者候補になる。」
容疑者ってことは、
「…タイホ?」
「されてもおかしくなかっただろうな。」
……そんな、こと、知らなかった。
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