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山崎さんを見送って、一度置いたお箸を持ち直した。
壱はこの暑い中、豚カツを美味しそうに食べている。
食欲あるなぁ、と思いながら私は冷やし中華をチュルチュルと吸い込んだ。
「…今朝、畠中執行役が捕まった。理由はまぁ、わかるやろ?詐欺や。」
畠中執行役?
あの大人しそうなおじいちゃんが?
「あの人の会社が運営しとったんがあのサイトや。吊り上げ式の課金システムで被害総額はおよそ12億。あのじーさん、英語のできる中国人雇て外国人相手にもそれしよってん。日本人女性は人気あるらしいからな。金持ちのアホな奴らがバンバン課金してわずか1年で12億。ある意味すごいけどな。」
確かに、設立して1年で12億って、凄い。
「春原さんには個人的恨みあったらしいで。まぁしょうもないけどな。」
「それは聞いていいの?」
「あー…、。愛人にしたかったみたいやで?でも彼女は断った。」
「愛人?」
「せや。要はセフレや。若い女とヤりたかった。」
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