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失礼かもしれないけど九条さんがクリスマスにホテルを取るタイプに見えなかった。
ただ、好きな人が喜ぶ姿を見たいと思うのは至極当然のこと。私が喜んでくれると思って、九条さんはホテルを取ってくれたんだ。
「……嬉しい。ありがとう、」
喜んでないわけでない。
ただ、少し驚いただけ。
「……本当に思ってる?」
「お、思ってるよ!ただ、ちょっと驚いて、」
「ふーん?」
どこか納得していないらしいその顔は無言で何かを訴えている。
それを見て見ぬふりしていると肩越しから熱い溜息が聞こえた。
その意味は安堵なのか不発に終わった結果に対するがっかりの意味なのかわからない。
その意味をひとり思案していると肩越しに彼が私を呼んだ。
「……玲、」
その声はどこか不安げで。
何か迷いを含む声だった。
だけど、次の言葉にはしっかりと意思を持ち急に低いトーンで真面目な話だとその口調が物語っていた。
「今まで黙っていたことがあるんだ、」
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