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重ねた手にぎゅっと力が篭る。
九条さんは躊躇いながら、静かに口を開いた。
「……公園で会った夜のこと、覚えてる?」
九条さんの言う公園とは彼が倒れた場所のことだろう。その夜というのは初めて 九条さん家に来た時のことだと思う。
「“どうして嘘ついた?”って玲を咎めただろ?」
確か、凄い不機嫌になって偽証罪が云々って言われたんだ。逮捕されてもおかしくないって言われて…。
「あれ、嘘なんだ。」
「え?嘘?」
「偽証罪とは法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときに問われるものだ。つまり、刑事裁判や民事裁判で証言を求められた証人が嘘をついたら偽証罪ってわけ。」
……ということは、
「…逮捕されたかもしれないっていうのは?」
「あるわけない。全部俺が出鱈目言っただけ。」
「じゃあ、お見合い云々は?」
「それは本当。だけど、玲のせいじゃない。たしかに玲を探したし、その為のひとつの方法でメディアにも出たけど、本当にただ、法律と絡めてそれっぽく言っただけ。」
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