7年目の激震

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12月はどこもかしこも忙しい。 クリスマスに正月と大きなイベントが沢山重なっている。そして、職業柄、片付けないといけないことも多く、連日連夜俺は遅くまで職場にいた。 そんなある日のことだった。 たまたまその日は昼過ぎに出勤した。 俺にとって珍しいことで慣れていないからかもしれないが、会社に踏み入れた途端、いつもと違う空気が漂っていた。 なぜか、重苦しい雰囲気を感じる。 なんだ?と不思議に思いながら、コーヒーを、と休憩室のドアをあけた。 その光景にギョッと目を瞠る。 自販機の前を陣取るのは営業事務の女性社員数名。 そして中には鼻を啜って泣いている社員もいる。 これを見て見ぬふりなどできることもなく、内心面倒だと思いながらも彼女たちに声をかけた。 「どうしたの?何かあった?」
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