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とりあえずその真意を探るべく俺は社長室に向かった。
だけど、フロアに向かう途中何人もの社員に質問責めされる。
そのどれもが梓の結婚について、で。
「ごめん、俺も知らないんだ、」
そう答えることしかできなかった。
ってかなんだよ、これ。
梓が指環してただけでこんなになるのか?
会社を設立して7年。
当初の頃は女遊びもしていた梓だけど、ここ数年は特にそんな素振りなかった。
俺たちの知らないところでそんなことはあったかもしれない。
子どもじゃないんだからそこまで俺たちも関与できないし、するつもりもない。
だけど、これまで女の気配を匂わせなかったせいか
梓信者には大打撃だ。
「失礼します、」
俺は返事も待たずに社長室のドアを開けた。
勢いよくドアが開いたらしく、中に居た梓は目を丸くしていた。
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