7年目の激震

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「あれ?梓は?」 18:00を回るころ、凌が外から戻ってきた。そして明かりの付いていない社長室を見て不思議そうに首を傾げている。 「さあ?帰ったんじゃない?」 予定では、16:00に商談が終わるはず。接待の予定もないし、急遽飯に行くとも聞いていない。 ならばそのまま彼女を迎えに行ったんだろう。 そう考えるのが自然だと思う。 「ナンダヨー、せっかく指環のこと聞きたかったのに。」 凌が唇を尖らせて拗ねている。 なんだかんだ言っても嬉しいし、ちゃんと祝いたいのが本音だ。 「今夜はハンバーグだって。一緒に作るんだと。」 「は?」 凌は豆鉄砲を喰らった鳩のように拍子抜けした顔をしている。 「だから多分もう家じゃない?玲ちゃん迎えに行って買い物するって言ってたから、」 「主婦かよっ!」 凌はケラケラと笑うとデスクに就いた。 そして、また声を上げて「ハンバーグに負けたかー」と笑った。
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