7年目の激震

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後日、彼女達が社長室を訪ねてきた。 代表の藤原さんが大きな紙袋を手に提げている。 「私たちから、その、……お祝い、です。」 緊張しているのか、涙を堪えているのか。 彼女の声は少し震えていた。 「…え、それは、」 「い、いいんです!いつもお世話になっているので。それに、今楽しいのは九条社長のおかげなので。」 藤原さんの言葉に周囲はうんうん、と首を縦に降る。それを察したのか梓はその紙袋を受け取った。 「……ありがとう。」 きっと驚いたのは俺たちだけじゃない。 多分その場にいた誰もが固まってしまった。 梓が社内でしかも社員の前でこんなにも柔らかく笑う、なんて滅多にないことだ。 普段から笑みを貼りつけた顔をしてはいるけど、今のは素の梓だった。 藤原さんに至っては余程強烈だったらしく顔を真っ赤にして硬直している。 田渕さんも笹山さんも口元を手で押さえたり、後ろを向いてしゃがみこんでしまったり、と相当らしい。 「……コホン。せっかくだし開けてもいい?」 梓は周囲の様子に気づいたらしく、またいつもの事務的な声で訊ねた。
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