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したり顔の凌と目が合った。
言うね~、と無言のオーラを放つ凌とは反対にピリリと冷たいオーラを出した梓はニッコリと笑う。
「……でも、作ってくれる人がいるっていいもんだね。例えどんな簡単なものでも自分の為に手間暇かけてくれることが何より嬉しいよ。だから残さず食べようと思うし食器ぐらいは洗うけどね。」
その言葉に今度は俺と凌がピリリとした。
彼女がいない凌と料理のできない彼女をもつ俺への当てつけなのか?
梓の憎たらしい笑顔が腹立たしい。
「それに、きっと彼女もこのプレゼント喜ぶよ。ありがとう。」
うまくその場を終わらせようとする梓はガサゴソとプレートを箱にしまい、元の紙袋に入れた。
「あ、あの。結婚式は私たちも参加できますか?」
ほぅ。
梓信者たちは結婚式に参列するつもりなのか。
それはどういう心理なんだろう。
「まだ未定だけど、多分身内だけで簡単に済ませるつもりだから。ごめんね。」
梓の言葉に驚いたのは俺も凌も同じだった。
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