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「……ごめん。がっつき過ぎた。」
まだちょっと早かったか?
でもキスって舌入れないとかないだろ、普通。
「そんなこと思ってないくせに。」
「玲も嫌じゃなかっただろ?」
それだけ許してくれてると思ってた。「キスぐらいいいか、」程度には俺のことを意識してくれてるんだと。
「嫌じゃなかったら口開いてます。」
だけどその言葉がグサリと胸をヒトツキして。
「それ、地味に傷つく。」
いや、思いっきり傷ついた。
そんな可愛らしい触れ合いなんか要らない。もっと乱して、乱れた姿を見たい。
なんてそんな下心満載の心を伝えられるはずもなく。
「……はぁ。無理、寒い。」
寒さにかこつけて、華奢な身体を拘束するように抱きしめて、彼女の香りがとても際立つ細く白い首に顔をくっつけた。
「お言葉ですが、女性より男性の方が体温は高いと、」
「俺にそんな趣味はない。」
馬鹿か、こいつ。
そう言いたいのをぐっと我慢して腕の中で縮こまる彼女をひたすら抱きしめた。
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