26078人が本棚に入れています
本棚に追加
店に入って気が付けば、一時間以上経っていた。
塚原の姿を見て、考えなしに彼女に話しかけたけど、思った以上に仲良く(?)なれたことが収穫だった。
知らなくていい情報もあったけど、結局“好みのタイプは好みのタイプ”でしかない。
つまるところ、
安心感があって傍にいてくれる人、に俺がなればいいわけなんだ。(体型は別)
「ご馳走様でした」
店を出て、地下鉄までの道のりを肩を並べて歩いた。ヒールを履いているせいもあり、塚原は思っていた以上に背が高かった。
「なんですか?」
「背、高いんだね」
俺の目線とさほど変わらない位置に、にこりと笑みを投げかける。塚原も玲と同じくあまり俺に興味はないらしい。
だからだろう。
こうして話をしていても嫌な気はしない。
あれこれ詮索してくることもないからか、緊張感から解放されて余計なことを考えなくてもいい。
「ヒール履いてますからね。玲よりは5センチほど高いですよ」
「そう」
「玲と九条さんはちょうどいいんじゃないですか?」
「そうかな」
「そうですよ。二人、似合ってますよ?玲可愛いし、九条さんイケメンですし」
最初のコメントを投稿しよう!