2人の男

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九条さんの目が次第に甘く熱を帯び始めた。 察しろとでもいうようなその視線に目を逸らす 「玲、」 「もう、寝てください!」 「嫌だ。」 肩を押し返しても無意味な事は分かっている。 けど、何とか抵抗せねばと必死で足掻いた。 「その手、首に回せよ。」 な、何を言っているのかこの男は! 「熱、熱が!」 「平気。」 「だいたい、私はお見舞いに来たの!健康なら帰る!」 むっ、としてその不敵な笑みを睨み付けるも 彼は悪戯に笑う。 「帰すわけないだろ。ばーか。」 な、 パチパチと瞬きをする私を可笑しそうに見つめて。 九条さんの唇が軽く合わさった。 「……玲、」 おでことおでこがぶつかり合う。 触れたそこからまだ熱っぽい体温が私に伝わった。 その事を伝えようも九条さんの目はさっきよりも妖艶さを増し脳から緊急事態を知らせる信号が送られる。 「…嫌?」 その言葉の意味を聞き返すほど子どもじゃないし 信号が何を言いたいのかも十分分かっている。 けど、 その警鐘を無視してしまうほど彼から目を逸らせなかった。
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