身分証って大事よね。

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「リン様?立ち止まられてどうかいたしましたか?」 「この世界で初めてちゃんと町、いえ都を見たから…。 気にしなくていいわ?早くいきましょ、サーラ。」 「そうでしたか。分かりました。 それでは早く登録を終わらせて、観光の時間をのばしましょう。 リン様。あの赤い屋根の、他より大きな建物がギルドですよ。」 案内人としてつけられたのは、お城のメイドのサーラ。 まぁ、メイドと言っても下っ端ではなく、王族についていたりするそれなりの地位と権力。そしてそれに、戦闘力もある立派な護衛である。 「ワァー。(棒)本当に大きいわね。」 「王都ですから。冒険者の数も多いですよ。」 「ふーん…」 さて、ギルドと言っても色々あるわけだけれど…。 ここはどうかしらね。 カランカラーン… ドアベルがついていたみたいで、雰囲気に似合わない澄んだきれいな音が鳴った。 音が鳴ればもちろん、視線も集める訳で… 「あの嬢ちゃん何者だ…?」 「さぁ…?でも、付き人が居るからそれなりの立場なんだろ?」 「…なぁ、あのメイドさん。…だよなぁ?」 っていう声がいっぱい…。ばっちり聞こえてますよー。 ひそひそ話すなら、もうちょっと聞こえないように話せばいいのに…。
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