第1章 面食い王子の日常

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PM1:35 「あ、あのっ、朱里くん…!この前は、えっと…ありがとう」 この子はたしか、いつも女子にぶりっ子だと陰口を叩かれている子だ。たしか1週間ほど前に、旧校舎で男たちに襲われそうになってるのを助けた記憶がある。 (その男たちが自分の友人だということは面倒なことになりそうなので黙っておこう。) 「あー、あれね。わざわざお礼なんて良かったのに。この学校ガラ悪い奴結構いるから気をつけてな」 そうして定番の微笑みを一つ残して、その場を去ろうとすれば「あ、あの!好きです…!もしよければ、えっと、…つきあっ、てくださ…ぃ」聞き慣れた言葉が飛んでくる。 「ごめんね、俺みたいな人間と関わったら山田さんの評判が悪くなっちゃうよ」 困ったような笑みを浮かべて今度こそ彼女に背を向ければ、後ろからは嗚咽のような声が聞こえてくる。 …顔があまり好みじゃない。あと鳴き声がイラっとする。 「…32点」
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