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PM4:20
「ちょっと便所」
今日の授業全てを終え、体育館で好き勝手に遊んでいる友人らに声をかける。
旧校舎のトイレは臭いが酷く生理的に受け付けない。億劫ではあるがのろのろと比較的綺麗な新校舎のトイレへと向かう。
放課後だからか、校舎には生徒は数える程度しかいない。その代わりに、グラウンドからは「ばっちこーい!」「ファイトォ!」等の頑張るもの達の声が遠く響いてくる。
「おつかれさまでーす」
その声の主達に気の抜けるような声でボソッと呟き、男子トイレへと入る。そこにはいかにも胡散臭いフローラルの匂いが漂っていて、その不愉快さに僅かに顔を歪めながらも、一番端のトイレへと足を運んだ。
「オラー!佐々木!お前やる気あんのかぁ!!もっと足動かせ馬鹿野郎!」「ウスッ!さーせん!」グラウンドから響いてくるそんなやりとりを右から左に聞き流しながら用を足す。
その時、ガラッと男子トイレに誰かが入ってくる音がした。
「…へっくし。」そんな間抜けなくしゃみを零しながら、そして足を怠そうに引きずりながら、その足音の主は俺の真隣に並んだ。
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