第1章 面食い王子の日常
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「……」 「……」 声を発しない俺を不思議に思ったのか、そいつは眠そうに首を傾げる。 その些細な仕草でさえも、信じられないくらいに綺麗だった。ーー……そう。 人の顔面を評価し続けて十数年、生まれて初めて一目惚れをした瞬間だった。 「オイゴラッ!!!佐々木ィ!!!!!馬鹿野郎ーーー!!!!!!」 グラウンドで叫ばれたその声がやたら頭の中で反芻していた。 「…へっくし。」
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