文花災

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(いけないもの入ってますよー。生贄じゃなくて生け花だと思いますよー。美術的なって呪われても私知りませんよ……あれ?この展開どこかで……) そんな私をよそに先生は話を進める。 「お前たちは戦争という恐ろしいものをしてるだろ?日本の文化の中にはそういうものもあるんだ。だからそれを……ん?なんだ?」 先生の近くで一人の女子学生が片手をぴんと伸ばす。先ほどの女子学生だ。 「先生、そんなに苦しくてキモ……あっ、失礼しました。変なこと考えなくていいと思います。例えば私たちのクラスから何か学んだことを生かして文化祭で伝えればいいと思います」 私はこの子の話を聞いてて思った。 (一応、この人も真剣に考えてるからキモって言ったらダメですよ。それは心に留めて置かないと) 「そうだな。ここで学んだことか。ん?何かあるのか?」 先生の目に止まったのだろう。私のすぐ目の前で体を机一面に倒して寝てる女子学生の姿が。そう、もちろんその正体はあいつだ。 「おい、梨田。寝るな。起きろ」 「起きてます。先生の頭がいつも通り脳なしなので机をなめてました」 私は先生のことを惨めに思いながら思う。 (汚ねぇよ。なぜ机なめてんだよ。先生、怒っていいんだぞ?) しかしその先生は……。     
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