文花災

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当日。 私たちは本当に何もしていなかった。準備期間に設定された一昨日からの二日間は私たちのクラスだけ密かに休日になっていた。先生には親御さんたちに「何やるのか」と言われたら「展示物やる」と言って口裏を合わせとけって言っていたのでその通りに済ませた。私はその二日間なんとなく他のクラスと友達に誘われて手伝いをしに行った。もちろん自分のクラスを扉の外から見たが、ガラス枠は白い紙で隠されて何も見えなかった。何よりもそこは静かだった。 そんな中での当日だ。 学校の中でメイド喫茶やお化け屋敷、ライブなど色んなイベントが教室(一部体育館など使用)ごとに分かれて行われていた。またね先生が言うにはこうだ。 「なぜ、文化祭と言うとみんなは似たようなことをするだろうか。メイド喫茶やお化け屋敷、ライブ……。私なら他のクラスとは異なる偉大なことをやる。だからお前らも期待してろよな」 偉大なこととはなんだろうと思いながら、歩みを進める。パンフレットには『文花災ーまたね先生〇〇ー』と書かれていた。私は何となくその二つの〇に『日常』という単語を入れたが文化祭なので異なると思って今まで考え込んでいた。     
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