君は、明日の夢を

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「機械が常に正しい選択ができないように、俺だって不安に迷うときもあったんだ。らしくない、なんて、買いかぶりすぎもいいところだ」 「たしかに、悪かったよ。人間は、誰しも情緒不安定だ」  運転席にミナイが座り、僕は助手席に収まる。いつも、ミナイを乗せる立場にいたからか、すこしばかり居づらい。 「基地の外とはいえ、敷地内からはでられない。そんなに遠くまでは行けないが、二人っきりになるにはうってつけの場所だ」 「考えてみたら、二人っきりになるのは初めてではないかな? ミナイは僕を仮想体にいれて連れ出さなかったし、コクピットは、つねに人の目があるからね」  事前に許可は下りていたのだろう。準備周到なところは、ミナイらしかった。
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