君は、明日の夢を

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「ただのナビゲーションシステムに、ミナイはずっと恋をしていたんだ」 「ほんとうに、君は馬鹿だなぁ。死んだ後も悔やむくらいなら、理性なんて捨てて、僕を抱いてしまえば良かったのに」  ぎゅっと、僕は両手でミナイを抱きしめた。 「ミナイ、君は愚かだ。戦争の道具でしなかない僕をどうして人のように扱うんだい?」 「お前だけが、ずっと寄り添ってくれていた。期待も落胆もせず、俺をずっと見てくれていた。人であるか、機械であるか、俺にとっては些細な問題に過ぎなかった」  ミナイは僕をさらに強く抱きしめて、唇を重ねてきた。  入り込んでくる舌を、僕は拒むことなく受け入れる。仮想体としての、人に当てはめれば本能的な行動ではあるが、僕の意思でもある。  不安そうに体を強ばらせるミナイの背中を安心させるため、優しく撫でつけて、深く舌を絡めた。  僕たちの、最初で最後のキスになるだろう。 「たしかに、ミナイの性格を思うと基地ではできないね」  僕の中で、ミナイの要求に応えるためのスイッチが入る。 「ナイン、嫌なら拒んでくれてかまわない。これは、ミナイの生前の妄執に過ぎないんだ。共にいれるだけで、俺は……」     
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