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「………………」
「………………」
「………街中探す………」
「ええっ…見付かるの……」
「分からねえ……」
「やみくもに探して見付かるならこしたこと無いけど………」
「どうしたら輦ちゃんに会えるんだろ……」
「僕に聞かれても…」
「……分かる分けねえよなあ…」
「……そんなに会いたいの…」
「そりゃあ会いたいに決まってるだろ…こうして探しに来てるんだし…」
「………………」
困ったな……どうしよう……
白藤にそう言われた輦はそう思いながら困惑した顔で俯く。
「…………」
「…………」
「取り敢えずさ……街をぶらぶら歩くか…」
「えっ…」
「公園のベンチに座っててもつまらなくねえか…」
「うん……」
「じゃあ行こうぜ田ノ倉」
「うん……」
輦と白藤は公園を出てまた街の中へ戻って来た。
ザワザワ
ガヤガヤ
「…………なあ…田ノ倉……」
「何………?」
「…輦ちゃん居なかな…」
「ええっ…さあ…」
「………………」
「……………」
ザワザワ
ガヤガヤ
人通りが多い所に白藤が立ち止まり、輦も隣に立ち止まる。
「どうしたの…?」
「う~ん……」
「ん?」
「今頃……輦ちゃんは何処に居るんだろうな…」
「えっ……」
「だってさ…会わねえってことはさ、街には来てねえからってことじゃね?」
「…………そうなのかな……」
「そうだろ……」
「……………」
……来てない………う~ん…来ては居るんだけどね……一応……
「会いたくて探すってさ……ヤバい奴か?」
「ええっ…」
「………せめて何処の高校なのか聞いて置けば良かった………っ」
「高校生なんだあ……」
「らしい………歩くか…迷惑になる…」
スウッ
「うん…」
スウッ
2人は宛もなく歩き出した。
昼食の時間になり、お腹が空いた輦と白藤は牛丼屋の満点のお店に入る。
ザワザワ
ガヤガヤ
「いらっしゃいませ!空いてる席へお座り下さい。ご注文の際はブザーをお願いします」
「はい」
「………」
スウッ
窓際の角の席に白藤が座って、輦は向かい側に座る。
「今日は俺の奢りな。食べたいの注文して良いぜ田ノ倉」
「ええっ…悪いよ……僕は僕で支払うから…」
「いや…強引に頼んで付き合ってもらってるんだし。ここは俺に払わせてくれ」
「うん……ありがとう…選ぶね」
「ああ…」
スウッ
「お飲物です。御代わりはセルフサービスですのでご利用下さい」
コトン
コトン
「「はい」」
「………とろーりチーズのたっぷり牛丼の並を1つとシーザーサラダを1つ……デザートにイチゴのパフェを1つ」
「スイーツ好きなのか?」
「えっ……あ…うん……」
「ふーん……」
「パフェは駄目かな…」
「いや…構わねえよ」
「そっか…ありがとう」
「俺はガーリックペッパー激辛ハバネロ牛丼の大盛1つでいいや…」
メニューを決めて白藤は店員を呼び注文をした。
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