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ザワザワ
ガヤガヤ
ポンッ
「おはよう田ノ倉」
「あ…白藤君おはよう」
「田ノ倉に聞きてえことがあって………」
「えっ………」
「あっ……いいや…後で話すか…」
「そうなの…何……気になるよ…」
「2時限目の休み時間に俺が田ノ倉のクラスに行くから…」
「ああ…うん」
白藤君は何を僕に聞きたいのかな……
いい掛けた白藤の言葉が輦は少し気になる。
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
ザワザワ
ガヤガヤ
スウッ
「田ノ倉」
「白藤君……」
「田ノ倉には兄妹っているのか?」
「えっ…兄妹………僕には居ないよ……一人っ子だから」
「そっか……一人っ子………う~ん……」
「何…?」
「いや…さあ…その……土曜日にさ……田ノ倉にそっくり…似てる女の子に会ってさ…」
「ふーん……女の子にね……」
白藤君…その女の子は本当は僕だよ…言えないけどね…
「可愛いなあ…って思ってさあ……」
「可愛い女の子だったんだあ…ふーん…」
僕のメイクもファッションもバッチリだったってことだね
「……何か………怒ってねえか……」
「別に………可愛い女の子に会ったって白藤君が自慢しているように見えるだけだよ」
「そっか…そう思う!あはは」
「………話はそれだけ?」
「まあ……うん…」
「……白藤君はその女の子に住所とか電話番号は聞いたの?」
「えっ………いや……初対面だったし……だから……聞けなくて……」
「………名前は知ってるの?」
「名前は…輦ちゃん……名字は教えてくれなくてさ…」
「輦ちゃんって言うんだあ……僕も会ってみたいなあ…」
「ええっ…」
「だって白藤君が可愛いって思う女の子だったんでしょ?…それなら見てみたいかな…」
「……また会えるかな……」
「名前だけだと会えないかもね……」
「っ……………そうだよなあ………昨日も街に行ったけど会えなかった……」
「そっか…残念だったね……」
昨日は僕…街には行かなかったから……
白藤君は昨日も街に行ったんだね……知らなかった…
「…俺はあの子に会いたくてさ………」
「うん………」
「会ったのは土曜日だったし、土曜日ならまた会えるかも知れねえだろ…だから今度の土曜日に俺と一緒に輦ちゃんを探すのを手伝ってくれねえか……」
「ええっ……僕が………」
「だってさ…田ノ倉なら頼めそうで……駄目か?」
「…………」
探すのを手伝ってって………どうしよう………
白藤のたの頼みごとに輦は困惑した顔をしていた。
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