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「ドッペルゲンガーは置いといて、あの子を探さねえとさ…」
「そうだったね……」
「飲み物を飲み終わって、少し一緒に歩いて…」
スウッ
「えっ…歩くの…っ」
タッ
「話をしながら歩いてたら、クレープ屋があってさ。俺は輦ちゃんにクレープを買ってあげて……」
スウッ
「田ノ倉はクレープ食べれるか?」
「食べれるけど……何…?」
「じゃあ食おう…奢るからさ」
「う…うん…」
「何がいい?」
「えっ……と……」
どうしよう……イチゴが良いんだけど……
「……何でも好きなもの頼んでいいぜ」
「あ……うん……い……」
「い?」
「いろいろあるんだね……僕は……ラズベリーホイップ」
「ラズベリーだな…分かった」
スウッ
「ラズベリーホイップ1つとチョコバナナのクレープを1つ下さい」
「ご注文承りました。少々お待ち下さい」
「はい」
スウッ
「……………」
イチゴっていい掛ける所だった……っ
ラズベリーも好きだし……うん
スウッ
「ほら田ノ倉の分」
「ありがとう」
「ああ」
白藤からクレープを受け取った輦は一口パクっと食べる。
「!?もう食うのかよっ…まてまて…移動だ移動」
「ええっ…あ…ごめん…食べちゃった…」
「まあ…いいや…近くに公園があるんだ」
「ふーん……」
知ってる……僕が白藤君に教えたんだもん
スウッ
輦と白藤は近くの公園に向かい歩き出す。
「此処が輦ちゃんと来た公園でさ、ベンチで2人でクレープを食べたんだぜ」
「ふーん…」
ザワザワ
ガヤガヤ
白藤と輦もベンチに座った。
「もう食べていい?」
「ああ…」
スウッ
「甘いね……ホイップクリーム…」
「クレープだからな」
「ラズベリー…甘酸っぱい…甘い…不思議なクレープ…クスッ」
「チョコバナナは旨いな…」
「美味しいの?」
「クレープったらチョコバナナに限るだろ」
「そうなんだ………ふーん…」
「田ノ倉のクレープ食わせてくれるなら俺のチョコバナナも一口食って良いぜ」
「ええっ……いや…僕はそう言うのはちょっと……」
「潔癖か?」
「違うけど……ちょっと無理……ごめんね…」
「そっか……仕方ねえな…」
「……………」
潔癖か………食べ合いっこは出来ないんだよね……
白藤にそう言われた輦は断り、自分のクレープ見ながら思う。
10分くらいで輦と白藤はクレープを食べ終えた。
「食べ終っちゃったね……で……これからどうするの?」
「食べたら俺は輦ちゃんにお礼を言って分かれた」
「ええっ…」
「だから輦ちゃんとはここまでだ」
「う~ん……そっか………」
「そうなんだよ………だからどうしたらいいか分かんなくてさあ……」
「難しいね……名前だけしか知らなくて探すのは至難の業だと思うよ……」
「だよなあ……」
「うん……」
どうしたらいいか分からない白藤は落ち込み、輦は俯いた。
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