今週も頑張るぞ!

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ザワザワ ガヤガヤ ザワザワ ガヤガヤ スウッ 「!?」 輦が昇降口に入ると、ひときわ鈍より淀んだ空気が漂っていた。 「…………白藤…君……おはよう…」 「た…田ノ倉………おは…よ…」 「……えっと………」 スウッ 輦が挨拶して声を掛けると、白藤は靴を上履きに履き替えフラフラと歩き出す。 ヨロヨロフラフラしながら歩いて、他の生徒と何度かぶつかり、廊下の壁にぶつかって白藤は持たれ掛けるように座り込んだ。 「……………」 白藤君………土曜日に探してた女の子に会えなかったから落ち込んでるのかな… スウッ 「白藤君……大丈夫……?」 「あ………あ………聞いてくれぇ……」 「ええっ…何……」 「っ……………」 ちょっと……そんな目で見られても…… 何となく何が言いたいのは分かる気がするけど… 「何処か別の場所で話そうよ…ね?」 白藤が悲しそうな顔で訴える為、輦はそう言うしかない。 輦は静かに話を聞こうと思って生徒会室に白藤を連れてきた。 「座って…話なら僕が聞くよ?」 カタン スウッ カタン スウッ 「実は……さ……昨日も街中を一日中探したけどさ………輦ちゃんには会えなくて………」 「そ………そうなんだ………」 女の子の格好して街に行かなくて良かった…… 「やっぱり…ドン引きされたのかな……」 「ええっ…」 「俺に会わないように避けてるとか……っ」 「そんなこと無いと思うよ…白藤君の考えすぎじゃないかな……」 「じゃあ…何で昨日も一昨日も…探したのに輦ちゃんに会えなかったんだ……」 「たまたま来てなかっただけじゃないのかな…分からないけど……」 「たまたま………っ……」 「元気出してよ…ね!」 「…………田ノ倉見てると…輦ちゃんに見えてくる…」 「えっ!」 「……田ノ倉みたいな顔の女の子……」 「いやいや…僕は男だよ…しっかりしてよ白藤君…」 「輦ちゃん……っ…」 ガバッ 「………白藤君……っ…ちょっとぉ…」 「……輦ちゃん…何でだよぉ…」 「男に抱き付かれる趣味無いってばぁ…困るよ…」 スウッ 「悪い………悲しくてつい…田ノ倉が輦ちゃんに似てるから……」 「……だから他人の空似だよ…似てても僕には兄妹はいないんだよ…」 「………輦ちゃん……今頃何処に居るんだ……」 「高校生なら…何処かの学校に居るのかもね……」 本当はここに居るけど… 「学校…………女子校かな……」 「さあ………」 「実は共学校で既に彼氏が居たりして…」 「ええっ…」 話を聞いてる輦だけど、白藤はマイナスな方向に考えていき、輦は困惑した顔をする。
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