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「俺と分かれた後、実は彼氏と待ち合わせをしてて…………」
「考え過ぎだよ……」
「その後彼氏と会ったんだ……」
「……あくまでも白藤君の推測でしょ…本人に聞いた分けじゃないんだから…」
「彼氏が居るならそんなに街に来る筈はねえ…」
「そうかな………」
「そうに違いねえ……っ…だから街で会わなかったんだ……っ…」
「白藤君………」
「……授業に出る気力ねえ……」
「ええっ…」
「輦ちゃんと会えなかったし…きっと彼氏が居る…」
「…っ………駄目だよ…出ないと……ね!」
「ショックで無理……」
「白藤君………」
「何にもやる気がしねえ……もうダメだ……っ」
「………分かった……ここに居てもいいよ。僕はサボれないから授業に出て来るね」
スウッ
ガチャ
パタン
「……………」
僕のせいだ………白藤君がショックを受けてるのは…
僕があの時正直に………っ…
言えない……言いたくない…秘密なんだもん…
誰にも知られたくない僕の秘密……
どうしたら良いのか僕は分からないよ……
白藤を可哀想に思う輦だけど、どうしても言えないと思っていて、困惑して廊下で俯く。
白藤君は相当ショックだったのか、昼食も食べなくて授業にも出なくて、ずっとテーブルの上腕を枕に落ち込んでいた。
翌日の火曜日も……授業に出ずに保健室のベッドで体調が悪いと横になっていたのである。
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