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「美味いか田ノ倉」
「うん。美味しいよ」
「友達いない分けじゃねえのに、何故か昼食は1人で食ってねえか…」
「あ…うん…気楽だからかな…ははは」
「ま…確かに…気楽ったら気楽か…」
「白藤君こそ何で僕の所に来たの?」
「ん……いつもは風紀委員室で食ってるからさ…つまらねえじゃん…たまたまランチルーム覗いたら田ノ倉が1人で食ってたから、声掛けたってわけだ」
「そっか…ありがとう…って…僕のこと寂しそうに見えてた?」
「弱冠…」
「……ううっ……」
「ウソウソ…クスッ」
「何気に白藤君はからかうこと言うよね…」
「田ノ倉が面白いから」
「……そうですか…はいはい…」
生徒会長と風紀委員長と言う関係もあり輦は白藤と話をする仲だ。
カタン
「なあ…田ノ倉…」
「ん?」
「その…唐揚げ…さあ…」
「欲しいの白藤君…」
「旨そうに見えてさ…」
「クスッ…良いよ1個あげる。僕もミルクティーを貰ったからお礼だよ」
「マジか!」
スウッ
食べてると白藤は輦のお弁当のおかずをじっと見てきて、輦は唐揚げを1個あげた。
「美味い!」
「良かった…口に合ったんだね」
「唐揚げも自分で…?」
「うん……僕の両親は共働きでね…料理は小学生の頃からしてるんだ。自分で言うのもなんだけれど得意なんだ」
「すげえな……俺は料理はからっきし駄目でさあ……唯一作れるのは塩の握り飯くらいだぜ」
「そっか…あんまり男子は料理ってしないからね…」
「料理出来る田ノ倉が羨ましい…いいなあ…」
「そう…?」
「ああ…」
「何かそう言われると嬉しい…」
「田ノ倉って話しやすいな」
「そうかな…」
「話しやすくなきゃ俺は話し掛けねえよ」
「ありがとう」
他愛もない会話をしている。
「んじゃそろそろ五時限目だし俺は行くわ」
カタン
「僕も食べ終わったし授業に出なきゃ」
カタン
輦と白藤は其々自分達の教室へ戻って行った。
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