僕の休日

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輦は両親とは分かれて4L・DKのマンションで1人暮らしをしている。 たまに心配して両親が来るが、輦は別に寂しくはない。 一緒に両親と暮らしてたら輦は自由に出来ないからである。 何故なら1部屋をクローゼット部屋にして、女の子の服や靴、アクセサリーやメイク道具がたくさんあるのだ。 ガチャ カタン 「今日は………これにしよう」 テキパキと選んだ服に着替え、髪にはロングのウィッグを付けて、顔にはメイクを施し、履いて行くミュールを選んで出掛ける準備は出来た。 コトン ガチャ パタン ピッ コツコツ 可愛く女装して街に出掛けることが休日の過ごし方である。 ザワザワ ガヤガヤ 「ねえ彼女、1人なら俺と遊ばない?」 「ごめんなさい。私は行く所があるの」 スウッ 可愛い美少女にしか見えない輦は、良く声を掛けられる。 今日の服は白とピンクのワンピースに白のミュールを履いている格好だ。 ネイルにもマニキュアを塗り、足の爪にもペディキュアを塗っている。 ザワザワ ガヤガヤ 「♪~♪♪」 声を掛けられるのは気分がいいなあ… 「……っ……」 喉が渇いちゃった……自販機……… コツ ガサッ スルッ 「あっ」 チャリンッ バッ 「!?」 スウッ 「落としたぜ」 スウッ 「あ…ありがとうございます…」 「?……」 「何か……?」 「いや………誰かに似てるような…」 「っ!!」 えっ…うそ……し……白藤君!? 「………何か初対面って感じがしねえんだよな……って…ナンパじゃねえからな…」 「は…はい……」 「えっと…あんたも高校生?」 「あ…はい……」 「そっか……俺も高校生だ」 知ってるよ 「クスッ」 「何か俺…面白いこと言ったか…」 「あ…いいえ…ごめんなさい…」 「1人で来てるのか…?」 「はい…」 「俺も1人かな…」 「そう…なんですか…」 「って……何だかナンパっぽい……悪い…」 「あっ…いいえ」 「………何処か行くのか…?」 「私ですか……」 「ああ…」 「ただ…街を歩きたくて…来たので…別に…行く所はありません」 「そっか……!……ちょっと座って話をしないか…俺もジュースを買うし」 「は…はい…」 自販機で飲み物を買おうとした輦は、小銭を落としてしまい、拾ったのは同じ学校の白藤で、話をしようと言われた。
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