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ザワザワ
ガヤガヤむか
「慣れてるんですね……」
「えっ!」
「いつもこんな風に休日は過ごして居るのかなって……」
「いや…違うから…俺はあんまり女の子に声を掛けたことねえし………そもそも女の子に掛けたのは輦ちゃんが初めてで………」
「初めて?……慣れてるように見えたのに……」
「…………だから……声を掛けたのは…知り合いに似てて……それで……」
「クスクス……意地悪でしたね…ごめんなさい」
「輦ちゃん………っ……とにかくクレープを食べようぜ…せっかく買ったんだし…」
「そうですね…クスッ」
「座って食べる?」
「歩きながらでも食べれます」
「そっか…」
「あっ…もしかして…白藤さんは座らないと食べれませんか?」
「えっ……ああ…うん…出来れば座りてえかも…」
「でしたら、この先のお店の角を左に曲がって直ぐに小さな公園があるので行きましょう」
「ああ…」
ザワザワ
ガヤガヤ
輦と白藤は近くの公園に向かう為に歩き出す。
数分後に公園に着き、小さい子どもを連れた親子連れや何組か居るだけで、ベンチは空いていた。
スウッ
「ここで食べるか」
「はい」
右側に白藤が座り、輦は左側に座る。
「白藤さんはチョコバナナクレープがお好きなんですか?」
「えっ…ああ…うん…輦ちゃんはイチゴ好きなのか?」
「はい…イチゴは好物で……ケーキもショートケーキが好きなんです」
「輦ちゃんは女の子なんだな…イチゴが好きって可愛い」
「っ…………」
可愛い………だけど女の子じゃないけどね…
こんな格好してるし……そう思われてるなら今はいいか…
白藤と話をしいて輦は思った。
「さてと……もう食べ終ったし……そろそろ帰るかな…」
「そうですか…」
「無理に誘ったみたいで……悪かった…ありがとな輦ちゃん」
「此方こそ…クレープをご馳走になってしまいありがとうございます」
「じゃあ……」
「はい」
クレープを食べ終えた輦は白藤と別れる。
「……………」
もう少しだけ街を歩いたら帰ろう…
公園を出て輦はそう思いながら歩き出した。
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