クルド人虐殺編

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に飛び出した母親が見たもの。それは喉を押さえて倒れている隣人達と、 水から飛び出た魚のように口をパクパクして痙攣している息子の姿だった。 ((;><)) 「カ・・・カフッ・・・ガ・・・」 J(;'ー`)し「ビロード、どうしたの!」 あわてて駆け寄り、声を掛けるが、返事はない。 息子は目を白黒させ、呼吸をしようともがくのみだった。    8: 猪(ミニスカ): 2006/12/30(土) 19:42:00.46 ID:e87+/04r0    目で見る限り、周りには何も異常はない。 いつもの空、いつもの風景である。 J(;'ー`)し「どうしたの!何が起きたの!」 何が起きたのかを理解しようと、必死に頭を働かせているうちにあることに気が付いた。 転がる息子の皮膚がただれている。それに――― J( 'ー`)し(この臭いは!?) 何か刺激的な臭い、例えればマスタードのような臭いが、鼻腔に広がった。    9: 猪(ミニスカ): 2006/12/30(土) 19:49:30.03 ID:e87+/04r0    異常の原因が、空気中を漂う何かにあるのでは、と彼女が気付いたとき、 皮膚に、目に、鼻に、喉に、今までに味わったことのない痛みが広がった。 「ああhじgぢおあdぁあdぁlだ!!!」 激痛で、反射的に体をよじり、絶叫して倒れ、焼けるように熱い顔面を押さえてもがく。 痛い!痛い!痛い! どこが痛いのか。それすらも分からないほどの痛みを感じ、さらに絶叫する。 しかし、絶叫を続けることはできなかった。 絶叫となって吐き出される空気が、肺に入ってこない。    11: 猪(ミニスカ): 2006/12/30(土) 19:58:13.24 ID:e87+/04r0    身体の表面を襲っていた激痛が、今度は胸の内からもやってきた。 熱した炭を飲ませられたような熱さ。 もはや息を吸うことも出来ず、隣に転がる、もう動かなくなった息子のように ただピクピクと痙攣することしか出来なかった。 焼け爛れた目が、視力を失う直前に見たのは、家を出てこちらに向かう娘の姿だった。 (だめよヘリカル!こないで―――) 彼女は思い切り叫んだが、それは声とはならず、胸を大きく動かしただけに終わった。 文字通り声にならない叫びをあげると、母親は息絶えた。
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