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いつもふざけている親父を俺はスゴいと思ってしまった。
一応、断っておくが俺は血迷ってはいない。
ほら。前に香多くんをモデルに絵を書いてたじゃん?
ご近所さんに紹介するだけなのかなぁと思っていたのに、香多くんモデルの画集を発売したら画壇が騒ぎだしたんだ。
親父は画家だけど、売れっ子ではなくて、そこそこ。
扱う題材も風景とか多かったんだけど、ロリにょたチョコ男子の香多くんの絵が、繊細で前衛的と評価を受けてバカ売れ。
香多くんも喜んでいたが親父は渋い顔をしている。
「どうせなら瑠璃も描けば良かったーー」
と嘆いている。素直に喜べよ。
自分の子供を題材に有名になりたかった気持ちは分かるがスゴいことなんだから。
それを香多くんの目の前で言ったが、とうの香多くんは「おじさま、おもしろーい」と親父心を弄んでいた。
香多くん、君も小悪魔だな……。
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