1-1 灼熱の黙示録〈スコーチング・アポカリプス〉

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 甲高い女性兵士の声が、炸裂する連射音の合間から聞こえてくる。 《雄輝、薬音寺、あんたら、ノロすぎ! いま、十八匹目を吹っ飛ばしたわよ》  パワフルな機関銃手マリアによる制圧射撃に正面は任せ、側面からの敵に集中する。  向かってくる敵に照準を定め、撃つ。  そろそろ装填弾薬が尽きる、と脳が告げている。  弾倉内の残り弾薬数を、身体がリズムで覚えている。 「装填!」  さけぶ。  薬音寺の援護射撃。  敵の攻撃を避けつつ、空になった弾倉を落とし、予備弾倉を叩きこむ。  装弾。  その間、わずか一秒足らず。  習慣化された動き、訓練のたまものだ。 《今日は早く帰れそうだなぁ。お前ぇら、敵は既に壊滅状態だ。圧倒的に撃滅しな》  無線から分隊長の声がする。 「了解」  全員が唱える。  自然な連携で敵を追い詰める。  たがいのすがたなど、もはや、目視していない。  ただ、認識している。  誰がどこで働いているか、皆、理解している。  身を隠す障害物も、周囲を見わたす高台も存在しない、どこまでも広がる荒野。  淡々と、ライフルを撃ちつづける。タタタン、と三点バーストがリズムを刻む。  突然、真下の地面が膨れ上がった。  地を蹴って後退し、裂けていく大地に銃口を向ける。  咆哮〈スペル〉。大地の奥から。     
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