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轟音と共に、炎に包まれたかたまりが地中から飛び出してくる。
人間の倍はあるであろう巨大な身体。
岩石に包まれた硬質の肉体。
溶岩を内蔵し、赤く沸騰する表面。
全身を包む高熱の炎。
燃える岩の塊。
「突き出た岩〈クラッグ〉──」
思わずつぶやく。
新たに大地から出現したクラッグは、迷わず「僕に」突進してくる。
四つの赤い目がこちらを向く。
巨大な岩を思わせる身体から突き出した腕を振り上げ、迫ってくる。
四つの目の下の岩が割れ、尖った歯のようになる。
咆哮〈スペル〉。
そこでようやく、「引き金を引く自分」以外の自分を再認識する。
おびえず、おそれず。
落ち着いて、背中のタクティカル・ショットガンを抜く。
目前に迫ったクラッグの突進を、回転しながら回避する。
ショットガンの轟き。
意外にもろい岩が、簡単に弾け飛ぶ。飛び散る炎。
もともと、内部に爆弾を抱えているような存在であるクラッグだ。
少しの衝撃で破裂する。
肉の爆ぜた悪臭。
周囲から敵の姿は消えている。
気を抜かず、息を吐く。
「落ち着いたもんだべ、岩石男〈クラッギー〉」
となりに大きな図体の通信兵がならぶ。
通称ノイズ。
生まれつきか後遺症か歪んだ顔立ち。
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