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「っぐ、は……ッ……!」
相手は武道で鍛えているが、体格はこちらが勝るし、ふいを突かれてはなすすべもない。腕の中に崩れ落ちた身体を抱き止め、その目許を素早く手拭いで覆う。
俥の座席に座らせて幌を下ろし、剛実は、編み笠を被って顔を隠すと梶棒を握った。そして、夜の町を駒込の邸へとひた走った。
「あ、あぁっ……!」
そこの八畳の奥座敷にて、己の中にいた一匹の野獣を解放した。平生ならば絶対にしないであろう荒っぽい手つきで着物を剥き、雪花のような肌にしゃぶりつき、匂いやかなうなじを食む。白い首筋を思うさま吸い立て、肌に紅い花を散らしてゆく。
「あっ、ぁ、……や……あぁっ……!」
一弥がもがくたびに剛実は呻いた。何て甘やかで、香り立つような肌をしているのだろう。きめの細やかさといったら、極上の練り絹のようだ。夜ごとの夢よりも甘美で蠱惑的なそれはいくら貪っても足りず、剛実は、息を荒げ唸り声を発しながら、そこらじゅうに口づけを繰り返す。
秘蕾を解し、その場所を己で暴いた瞬間の熱狂は、何に例えたらいいのか。この身が浅ましい狂獣に変化し、相手をも何もかも喰い尽さんばかりの喜悦が脳天を貫いた。ことさらに深々と突き上げてやれば、媚肉の熱さが骨身にまで達する。
「あぁっ……やっ……やめ、……た、剛実ッ……」
後ろ手に縛られて自由を奪われた一弥は必死で身もがくが、後孔に深々と突き刺さった肉楔のせいでそれもままならない。剛実が痩身を揺さぶり上げて奥処を捏ねてやると、一弥は「ああっ……!」と薄い胸を反らせて喘ぐ。
「や、やめっ……あ、あぁっ……!」
口では拒絶をこぼすものの、一弥の肉鞘はすでに充分に熟れ、咥え込んだ刀身をさらに奥へと絡め取ろうとしていた。己をみっしりと食い締めてくる肉環に身震いし、剛実は腰を振りたくって抽挿を激しくする。ぐちぐちと粘り立つ練膏の卑猥な音が、いっそう背筋をおののかせる。
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