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駅へと繋がる土手を、青葉を繁らせる並木道に添って歩いて行く。
この辺りは春になると、一斉に桜の花が咲くそうだ。来年の話なので鬼に聞かれたら笑われてしまうだろうが、その頃は剛実と花見に行こう、と一弥は心密かに決める。帰宅したらぜひ提案してみよう。もしや彼も同じことを考えているかもしれず、そうしたらきっと、二人で笑い合えるだろう。
愛する相手と共に暮らす歓びが胸に満ち、自然と脚が弾んだ。そうだ、いつまでもこうして同じ時を過ごしていけたらいい。互いを敬い深く慈しみ、季節の花々を共に愛でながら。――
(了)
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