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――あぁっ……剛実ッ……! もっと、もっとだ……。
一弥は髪も衣服も乱して、今にも蕩け落ちそうな声で剛実にすがりついてくる。普段の楚々とした様子からは想像もつかないほど奔放な姿を、夜の褥で剛実にだけ見せてくれるのだ。
――剛実……お前にそこを触られると、たまらない心地がする……。
身悶えながら、濡れ濡れと潤んだ瞳でこちらを見上げてくる主の秘部を、剛実もまた吐息を弾ませながらいじってやる。
――ここでしょう、一弥さま。
――あ、あぁっ……快い……剛実、すごい……。
従僕としての身の上がそうさせるのか、妄想の褥の中でも剛実は、主に対する奉仕を惜しまない。愛くるしい胸の粒や色淡い性器や、その他、一弥が望むところならどこへでも、愛撫の手や舌をこってりと駆使していく。
――剛実……ああ……お前が触れる場所すべてが快すぎて……どうにかなってしまう……。
――当然でしょう。一弥さまのことなら何でも、この剛実が承知しているんですから……。
――あ! あぁっ……! 剛実ッ……快い、快いっ……。
自分の指で愉悦に震える主の身を抱いていると、灼けつくような興奮が二倍三倍にも増していくのだ。剛実はそして花弁のような唇を吸い、乳白の肌に思うさまむしゃぶりついていく。さらには猛った自身で奥処を貫き、荒々しく腰を振りたくる。
「はァ、はあ……は、っ……」
そうやって淫夢を加速させればさせるほど、翌朝は相手の顔を見られないくらいの自己嫌悪に陥ってしまう。だが尾骨を突き上げるほどの激しい情欲には抗えず、日ごと夜ごと、留まることを知らない妄想に身を淫し続けていた。下男たちの猥談のおかげで耳学問はしっかりできているし、同年代の少年たちより体格がいいせいか、そういう欲求もまた人並み以上なのか。
「ぃ……ちゃ、一弥さま……っ……!」
名前を呼ぶだけで血が滾る。現実では決して抱くことも、容易に触れることすらできない身体をかき抱き、剛実はひと息に頂点へと駆け上がる。
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