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俺はその夜、ちょっとそのアプリを試してみた。
「鈴木さん」で電話をかけてみる。
お、繋がった!俺はイタズラ心が起きて、女性の声で話しかけた。
「こんばんは。」
「こんばんは。はじめまして。」
お、相手は男か。
「今、何してるんですか?」
「今?ゴロゴロしてる。」
「そうなんだ。」
「君、何歳?」
何歳にしとくか。16とでも言っとくか。
「16歳。」
「そっかぁ、女子高生だ。」
「うん。」
「名前は?」
「あや。」
「あやちゃんか、可愛い名前だね。」
俺は笑いそうになった。
「あやちゃん、俺ちょっとさ、エッチな夢見ちゃって。眠れなくなったんだ。」
来た来た、このエロ野郎。展開が強引だな。
「そうなの?どんな夢みたの?」
「俺と君がエッチする夢だよ。」
うわー、キモイ。男とも知らずに。
「やだー。」
「俺、今びんびんになっちゃってさ。俺の、見てくれる?」
おいおい、カンベンしてくれ。そんな物は見たくねえよ。
俺はそこで通話をやめた。
俺は、しばらくは、他のアプリで暇をつぶした。
まぁ、どのアプリも最初は楽しいのだけど、だいたいはすぐに飽きてしまう。
しばらくして、またあの「鈴木さん」を起動させてみた。
「もしもし?」
また男か。男率、高えな。
「こんばんはぁ。」
「こんばんは。あやちゃん。」
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